上棟式、建前というのがある。
家を建てる時のめでたい儀式である。地方によっては餅を撒いたり
おひねりの小銭を撒いたりすることもある。
家を解体する。思い出の詰まった家。建て替えする場合もあれば
家とお別れする場合もある。
そんな時に棟下式というのはいかがだろう。
たぶん例がない。
仏壇を処分するときの閉眼供養。(魂抜きと言うケースも)
そうです。家を解体するときに、棟下式をしましょう。
これを、私が解体にかかわるときには提案したい。
以前、解体工事の現場で、現場管理者を叱ったことがある。
その家のおばあちゃん、解体の現場は思い出があり、壊されていくのを
見るのがつらいから、現場には来ないほうがいいと伝えた。
だが、おばあちゃんは若いものは仕事だからと、職人さんにお茶を出す。
そのおばあちゃんに現場管理者は、水道管が破裂したから水道局に電話しろとか
邪魔になるから現場に近づくなという。
私は現場管理者を叱り飛ばした。
「お前さんにはハートがないのか!」
家にお別れをするのは辛い。温泉へ行かれたらどうですかとも言った。
それなのにおばあちゃんは職人さんにお茶を出すために一所懸命だった。
棟下式。神主さんに祝詞を挙げてもらう。お清めのお神酒を撒く。
人生何をするにも「けじめの儀式」を行った方が気持ちが晴れる。
棟下式の提案をしよう。